
突然ですが今あなたはトレーニングを何セット行っていますか?
とりあえず10回3セット行っている方や8回4セット、回数は考えずに5セット。このようにして筋トレを行っている方は多いのではないでしょか?
これらは間違いではありません。しかしただ何となくみんなが言っているからこのセット数で行っているという方は十分な筋トレ効果が得られていない可能性が高いです。
特にジムに行っているのに体が変化しない方やトレーニングの重量が伸びていかない方は今から紹介するセット数の決め方を見直すだけでトレーニング効果が高まる可能性があります。
記事でわかること
①10回3セットと言われる理由
②適切な重量設定
③最も効果的なセット数の決め方
最適な筋トレセット数の決め方
冒頭でも触れたようにセット数は筋トレ行っていくうえで重要なものになってきます。理由は1週間当たりのトレーニングボリュームを管理するうえでの一つの指標になるから。
最適なトレーニングボリュームについては今回は割愛しますがセット数はかなり重要なものになることだけ覚えてください。
そんなセット数についてですがポイントが3つあります。
①RM65%以上の重量に設定されていること
②1セット内の挙上回数が8~12回であること
③1部位の週あたりのセット数が10~15回の範囲であること
それぞれ解説していきます。
1.RM65%以上の重量に設定されていること
RM(レペティション・マキシマム)とはある重量に対して何回持ち上げることができるかを表す指標です。1RM50kgの場合50kgの重りを一回持ち上げる、50kg10RMの場合50kgを10回持ち上げることができることを示します。
この重量が65%未満の場合筋肥大効果が薄れると研究でも明らかになっています。ベンチプレスのMAX重量が50kgの方の場合、32.5kgを下回る重量でセットを組んでも筋肥大効果は薄いということです
ブラッド・ショーンフェルド「筋肥大のメカニズムと筋力トレーニングへの応用」より
65%~80%程度の重量を8~12回行うことが筋肥大に最も効果的と言われる場合が多いです。

MAX重量の65%~80%の重量で8~12回行うことが大切なんだね!
2.1セット内の挙上回数が8~12回であること
挙上回数(rep)は1セットで何回エクササイズを行ったのかを表す指標です。50kgのベンチプレスを5回行えば5repといった具合に回数を表します。
rep数 | メリット | デメリット |
---|---|---|
低rep(1~5回) | 筋力UP | 関節に負担がかかる フォームが乱れやすい |
中rep(8~12回) | 筋肥大に最も最適 | 筋力がやや上がりにくい |
高rep(15rep以上) | 筋持久力強化 | 負荷が軽すぎる |
この表のように低rep、中rep、高repとrep数においてメリット、デメリットがあります。
一般的に筋肥大を目指す初心者は中rep(8~12回)推奨されることが多いです。扱える重量(筋力)を伸ばしていくことだけを考えると低rep(1~5回)が効果的です。
しかし初心者の多くはフォームが定まっておらず体も固いことが多い。そのためケガのリスクや対象筋に負荷を乗せることができないといったことがおこります。
まずは中rep(8~12回)からはじめて重量が停滞してきたら低rep(1~5回)を挟む、重量更新できたらまた中rep(8~12回)でセットを組む。
このようにすると筋肥大にも効果的かつ筋力も伸ばしていけます。
中rep(8~12回)の重量を伸ばしていく
3.1部位の週あたりのセット数は10~15セット以内とする
筋肥大を目指していくうえで最も効果的と言われている週当たりのセット数は8~15セットです。これはトレーニング歴によって変わり、トレーニング経験がほとんどない人の場合8セット以下でも筋肥大します。
反対にトレーニング歴が5年を超えるような上級者の場合15セットでも不足しているケースがあります。
初心者の場合は鍛えたい部位の週の合計セット数が6セットから始めることをおすすめします。週二回トレーニングをする場合は1日目3セット、2日目3セットと分割する方法が効果的です。
トレーニング歴と自分が週に何回トレーニングするのかをかみして週当たりのセット数を考えていきましょう。
初心者はまず週当たり6セットからはじめてみる
10回3セットが推奨される理由
上記で説明した通り、ポイントは3つ。①1RM65%以上の重量に設定されていること、②1セット当たりのrep数は8~12回であること、③1部位当たりのセット数は10~15セット/週であること。
この三つを網羅したものが10回3セットとなります。これは1部位を週3回トレーニングすることを想定したものになっています。
週に2回しかトレーニングできないひとは10回4~5セット、週に4回同じ部位を鍛えるひとは10回2セットなど自分が週に何回トレーニングするかによって1回当たりのトレーニングでのセット数はかわってきます。
初心者のかたはまず自分が鍛えたいぶいを週に6セットからはじめてみて重量が停滞や体に変化が停滞した場合セット数を増やしていきましょう。
筋トレ初心者向けのセット法
筋トレセット法にはいくつかの種類があります。
セット法 | メリット | デメリット |
---|---|---|
ストレートセット | フォームの乱れを少なくできる | MAX更新ができない |
ピラミッドセット | ケガのリスク、フォームの乱れを抑える | 1セットのボリュームが少し落ちる |
逆ピラミッドセット | 体力が一番残っている状態で高重量を扱える | フォームが固まっていないとケガのリスクや、フォームの乱れがおこる |
上記のようにそれぞれメリット、デメリットがあります。初心者の方にはストレートセットをおすすめしているため今回はストレートセットのセットの組み方について紹介していきます。
ストレートセット方
ストレートセットの特徴は正しいフォーム、同じ重量で10回3セット行うことです。例えばベンチプレス50kgでセットを組みたい場合は50kg10回3セット行います。
セット | 重量 | rep数 |
---|---|---|
1セット目 | 50kg | 10回 |
2セット目 | 50kg | 10回 |
3セット目 | 50kg | 10回 |
ベンチプレス50kgでセットを組む場合このような形になります。
ポイントは1~2セット目までは少し余力を残した状態で終わり3セット目にギリギリ上がる重量設定を行うことです。
1セット目からギリギリの重量でセットを組んでしまうと、2セット目以降10回できずボリュームが低下することやフォームが乱れて対象筋に負荷が乗らない、無理なフォームで挙げてしまいケガにつながる恐れがあります。
自分が思っているより軽めの重量から始めて3セット終わっても余力が残っている状態になれば次回重りを増やす。こういった形で徐々に負荷を増やしていきましょう。
1~2セット目までは余力を残し3セット目でギリギリ10回上がる重量設定を行う
重量とフォームどちらを重視すべきか
トレーニング上級者でも意見が分かれる部分になります。もちろんどちらも大切なことですが、私個人としては初心者の方にはフォームを重視していただきたいです。
理由は2つ。筋肥大効果が薄れることとフォームの修正がきかなくなることです。それぞれ解説していきます。
筋肥大効果が薄れる
一つ目は、重量をいくら上げてもトレーニングフォームが適切でない場合、鍛えたい部位に負荷が正しく乗せられず筋肥大効果が薄れてしまうことです。
例に出すと、100kgの浅いスクワットと50kgのフルスクワットの場合50kgのフルスクワットの方が対象部位へ刺激を与えることができます。
無理して重い重量を持ちたくなる気持ちはわかります。私にもそういった時期がありました。しかし皆さんのトレーニングの目的は筋肥大であって重量を上げることではないはずです。
自分にあった重量から始めて負荷を少しづつ増やしていきましょう。
自分が正しいフォームでトレーニングできる重量設定を行う
フォームの修正がきかなくなる
二つ目は間違ったフォームでトレーニングを続けていると後からフォームを修正することが難しくなることです。
例えば胸を張らずにベンチプレスを続けていくと肩や三頭筋ばかりが発達しアンバランスな体になってしまうことがよくあります。
この場合胸だけを鍛えて他の部位に追いつかせることが難しくなります。
初心者は真っ白なキャンパスそのものなので最初の内から正しいフォームでトレーニングを行えるよう意識していきましょう。
自分のトレーニングしている姿を動画で撮影し、後で正しいフォームと見比べてフォームを確認することをおすすめします。
まとめ
今まで解説したことをまとめるとこうなります。
①1RM65%以上の重量設定を行う
②1セット内の挙上回数が8~12回になるよう設定する
③1部位の週あたりのセット数を10~15セット以内にする
➃重量より正しいトレーニングフォームを重視する
以上のことを意識しながら継続的にトレーニングを行えば初心者の方は筋肥大していきます。食事のももちろん大切ですがまずは質の高いトレーニングを継続的に行うことを意識しましょう。
食事については別の記事で解説しているので興味があるかたはチェックしてみてください。